モヤモヤの日々

第150回 ワクチン接種2回目(2日目)

浜の真砂は尽きるとも世にモヤモヤの種は尽きまじ。日々の暮らしで生まれるモヤモヤを見つめる夕刊コラム。平日17時、毎日更新。

8月1日に、新型コロナウイルスのワクチン接種(ファイザー社製)の2回目を受けた。接種日を起点にすると2日目になるが、体調は概ね1回目を受けた後と同じ経過を辿っている。

昨日と今日の早朝までは接種部位(左腕)が痛かった。昼前にはそれは収まり、微熱や頭痛が出始めている。そして何よりも腰が痛い。副反応には「関節痛」もあるらしい。しかし、この筆舌に尽くし難い腰の痛みは副反応なのだろうか。腰痛は接種前にもあったし、ただ単に寝転びすぎて腰が痛いだけなのかもしれない。う〜ん。判断が難しい。熱もせいぜい37度前半だ。接種部位の痛みを抑えるため鎮痛解熱剤を服用しているので、本当の体温がわからない。

そんなこんなを、ひとりでぶつぶつ呟いていたら、妻から「とにかく体調が悪いんだから休めばいいのに」と言われた。いや、わかっているのだけど、僕はいつでも体調がそんなによくないのである。きちんと副反応かどうか、そうではないかを見極めて適切な行動をとらなければいけない……などといった反論を遮り、「いや、ワクチン打ったあとは誰でも体調を少しは崩すものなんだから、とにかく今日は休みなよ」と妻はきっぱりと言った。そのとおりである。

子どもの頃から虚弱体質だった僕は、やれ頭が痛いだの、やれ不定愁訴がするだの、いつも自らの体調への不満を口にしているくせに、いざとなったら自分の体調の悪さを過小評価しようとする。「言うほど辛くはないかもな」「ちょっと、辛いと言い過ぎているきらいがあるな」などと、誰も得しない気を遣ってしまう。「思ったより大丈夫かもしれない!」で済むなら、それが一番平和だからである。「僕は大袈裟すぎるのかもしれない」という謎のバイアスが働いてしまうのだ。

しかし、考えてみれば、副反応が多くでると言われている2回目の接種の直後なのだ。強がったり、体調不良を過小評価したりする理由なんてどこにもないではないか。過小評価のバイアスが発動したとき、だいたいその後はロクなことになっていないのも、これまでの経験上わかっている。

だから、どれだけ辛いのかは自分でもわからないけど、頭痛と関節痛、微熱、倦怠感があるのは間違いないので、今日は堂々と「辛いかも」くらいのことは言って安静にしておこうと思う。みなさんも、辛いときは強がらず、堂々と休んでほしい。2回目のワクチンを打ってまだ2日目なんだから。ワクチンを打ったのだし、休んだっていいのだ。堂々と休むことが必要である。

 

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宮崎智之1982年生まれ、東京都出身。フリーライター。著書『モヤモヤするあの人 常識と非常識のあいだ』(幻冬舎文庫)、共著『吉田健一ふたたび』(冨山房インターナショナル)など。2020年12月には、新刊『平熱のまま、この世界に熱狂したい「弱さ」を受け入れる日常革命』(幻冬舎)を出版。犬が大好き。
Twitter: @miyazakid