40代持病まみれ
42歳で最初の単著単行本を出してから、4年のうちに30冊の単行本を出してきた横道誠さん。文学研究を専門とする大学教員で、自閉スペクトラム症(ASD)、ADHD(注意欠如多動症)、アルコール依存症の当事者として10種類の自助グループを主宰するその旺盛な活動力の秘密は、「いつ死んでも良いように」と40歳の時から「終活」を始めるようになったことにある。あまたの持病と戦いつつ執筆する横道さんの活動力の秘密はどこにあるのか? ノンフィクションとフィクションの垣根を越える、衝撃の当事者レポート。
第6回

慈平忍法帖〜徳川裏家御前血斗外伝!!

2025.10.21
40代持病まみれ
横道誠
  •  よし、興じようではないか。徳川幕府の裏家筋、その闇をたばねる徳川裏家第二〇代当主、徳川家誠(いえなり)がここに命じたるは、世間にはつとに知られぬ「忍法御前血斗」という、血と魂の饗宴であった。

     ときは西暦二〇二五年、年号に換算すれば昭和一〇〇年、はたまた慶応ならば一六一年となる本年。帝都東京の地下百メートルの深淵に広がる御前血斗場「地獄の楽園」 にて、世を忍ぶ特殊忍者どもが、秘められたる忍法をもって命を賭すことになった。壮絶なる戦がいま、堂々と幕をあけたのである。

     すでに多くを語る必要もあるまいが、読者諸君も承知のとおり、かれら特殊忍者には二大流派が存在する。

     一方は自閉スペクトラム症(ASD)と診断されし者のみが住まう、東北は静謐なる恐山の麓にひろがる「慈平(じへい)の里」にひそむ慈平忍者ども。かれらはその特性ゆえに、とぎすまされた集中力と偏執的なまでの探求心を忍法へと昇華させていた。

     もう一方は、注意欠如多動症(ADHD)と診断されし者が暮らす、九州は阿蘇近辺の色彩乱舞たる「艶派手(あではで)の里」にうごめく艶派手忍者ども。かれらはその奔放な発想と、常識にとらわれぬ瞬発力を武器に、予測不能な戦術をくりだす。

     忍法、世を救うべきか、呪うべきか──。その問いかけが、この血塗られた舞台の底に脈打っていた。慈平十人衆と艶派手十人衆、ちょうど十対十、あわせて二十名の忍者がつどいし決闘も、すでに十の命が散り、はじめに交換された巻物に記されし名も十と消えた。

     残るは各々五名。ああ、いまここに運命の最終盤が、地獄の蓋を開けるがごとく幕をあげるのだ。

     

      やにわに火蓋を切ったのは、重量忍法合戦の技術を磨いてきたふたりの忍者どもだった。慈平忍者、コレクション狂いの月影蒐太と、艶派手忍者、空っぽなる落合マグマの対決が幕をあげる。

     月影蒐太、その背後にならぶは、積年にわたり分類・整理・保存されてきた森羅万象をおもわせる蒐集物。キーホルダー、女性アイドルのチェキ、小石、鉛筆のおれた芯、チラシ、外国の切手、果ては古コンビニ袋に至るまで、かれにとっての宝物にほかならぬ。それらは寸分の狂いもなくつみあげられ、あたかも一個の生命体であるかのようにしずかに息づいていた。

     蔵所はにわかに叫んだ。

    「いざ、我が宝よ、旋風とならん!」

     どうっと大きな風の音がして、慈平忍法・こだわりコレクション竜巻地獄が炸裂した。蒐太の偏執的なまでに統制された蒐集物が、空を舞い、渦を巻き、烈風となって落合におそいかかったのである。竜巻は、それぞれが厳密に配置されたコレクションの破片を、まるで意思を持つかのようにあやつり、一筋の迷いもなく落合へとつきすすむ。そのさまは、狂気じみた芸術の域に達していたといわねばならない。

     対する落合カオスは、ただ虚空に向かってブツブツとたわごとを呟くばかり。やけに余裕なたたずまいを見せている。

    「──あれもない、これもない。ああ僕の大事なものたちが! どこに行ってしまったんだ……?」

     じつはその呟きこそが、マグマの真骨頂であった。突如として空が裂け、艶派手忍法・落とし物の滝流れが発動した。頭上の青空から滝のようにふりそそぐは、財布、定期券、スマートフォン、USBメモリ、鍵、ボールペン、マスク、上履き、リコーダー、学習ノート、成績表、図書室で借りた本、友だちから借りたゲームソフト──この男が生涯において失ってきたことごとくの落とし物、忘れ物、無くしもののたぐいが、天より怒涛のごとく崩落してくる術であった。

     それらはまるで、マグマの人生そのものを具現化したかのように、無秩序に、そして猛烈な勢いでふりそそいで、蒐太が現出させたコレクションの竜巻と激突した。激突するコレクションと落とし物、忘れ物、無くしもの。爆音と、金属や紙がぶつかりあう耳障りな音が地獄楽園にひびきわたる。

     多くの者は、余裕そうな佇まいをみせるカオスの勝利との読み筋を得た。だが、マグマのそれは余裕ではなく、ただひたすら朦朧たる夢見心地にすぎなかったのである。蒐太の蒐集物は一点の狂いもなく配置されたまま、統制のとれた竜巻となって、無秩序な落下物をかきわけ、迷うことなくマグマの頭部に命中し、彼の命脈を絶った。

     マグマは、まるで意識が飛んだかのようにその場に倒れふした。勝者、慈平忍者、コレクション狂いの月影蒐太。そのコレクター狂としてのこだわりこそが、混沌を制し、勝利をつかみとったのである。

      つぎに控えるは言霊忍法戦である。慈平忍者・唐突たる綾小路言(げん)と、艶派手忍者・疾風の早口朱音の激突である 。

     言は、異様なまでに反復する言葉を吐きだす。「これ、めっちゃデンジャラスですよね。そう思いません? めっちゃデンジャラスです。ぼくそう思います。デンジャラスだなって思うんです。──」

     これこそ、この言が慈平忍法から選びとり極めた、同じことばかりしゃべり相手を呪い殺す忍術であった。言の反復する声は言葉の呪符となって浮遊し、敵たる朱音の身体にからみついていく。朱音のなまめかしい女体が苦悶のかたちへとのたうつ。同じような言いまわしが短いあいだに五百回近くも口にされ、敵の魂を侵食しつくすという、まことに恐ろしき術だ。

     じわりじわりと言葉の呪符は、朱音の四肢に、そして精神に、あくまで食いこんでいく。言のまなこは虚空を見つめ、ただひたすらに同じ言葉を繰りかえし、その呪いを深めていく。

     だが、早口朱音は苦しそうに顔をゆがめながらも「フフハハハ」と笑った。まさか愉悦とは思えない。せいいっぱいの嘲笑か、苦しまぎれのくだらない虚勢を張っただけか。

     その刹那、彼女の口からは、常人の耳には捉えきれぬ速さで言葉がとびだした。

    「アノネアノネアノネ、ソレデネソレデネソレデネ、キイテキイテキイテキイテヨ、コレガスゴクテサァ! キョウマタ、アノイツモノキモイオキャクサンガサア、イツモドオリニグチャグチャイチャモンツケテキテサア、バババババ!」

     これぞ艶派手忍法・早口マシンガンである。秒間三百語を超える話術は、口から銃弾のように飛びだし、言の呪言を乱れ打ちに撃ちぬいていく。やがて言葉の弾丸が、言のはなつ呪符をことごとく粉砕し、空気中に散らしてしまった。朱音の言葉は、まるで機関銃の掃射のようにとどまるところを知らず、言のはなつ反復の言葉をかき消し、そのリズムを乱す。

     破られる言符、圧倒され、怯んであとずさりする言。

    「ググググヌ」と言はたまらずうめき声をもらす。

     つぎの瞬間、ついに言の口にする言葉は中断され、脳が焼ききれたかのように彼は膝をついた。その目には、もはやうつろな光が宿るばかりであった。

     勝者、艶派手忍者・疾風の早口朱音。言葉の疾風が、沈黙を打ちやぶった瞬間にほかならない。

     第八の戦いは壮大なる地形操作忍法戦となってわれらの眼前に展開した。慈平忍者・痩せの古村春太と、艶派手忍者・全開の時隠ヒカルが相まみえたのだ。

     古村春太は、みずからの忍道を高らかに宣した。

    「われ、一昨日の朝はカレーライス。昼はカレーライス、夜はカレーライス。昨日の朝はハンバーグ定食、昼はハンバーグ定食、夜はハンバーグ定食。本日の朝はラーメン、昼はラーメン、夜もラーメンの予定なり。これこそわが忍道! 喰らえ! 慈平忍法・毎日同一献立之忍術!」

     春太の声がとどろくや否や、地面がどっかりと裂け、ただちに血斗場の地形そのものが摂食されていく。山はカレーとなり、谷はハンバーグ定食となり、川はラーメンとなる天地鳴動の一大事である。

     春太がすっくと立つつくす周囲の空間は、彼の胃袋の形態を模すかのように変容し、その秩序だった食生活がそのまま世界を屠っていく。日々同一の献立に耐えてきた胃袋の力が、空間をも侵食するという、奇妙にして恐るべき忍法であった。

     ああ、これはなんと形容したら良いのだろうか。周囲は甘くスパイシーなカレーライスの香りと、あたたかなハンバーグ定食の香りとかが混じりあい、あくまでねっとりとただようラーメンの湯気に包まれ、戦場は異様な食卓と化していた。

     だが、そのとき──。

    ……遅れてすいません」

     ヒカルが申し訳なさそうに呟くと、空間が割れてふたりの忍者のあいだに広がっていた距離が削れた。まさに刮目すべきは、ヒカルが師匠の向井トグロ丸より継承された艶派手忍法・遅刻時空掘削之術である。つねに人より遅れて行動するトグロ丸やヒカルが動くたびに、遅れたぶんだけの時間の量が空間の量に換算された上で爆砕し、空間が崩壊していく。

     ヒカルが慣れきったこの忍法を活かして、崩れた空中の裂け目から現れ、春太の背後を取ることは雑作もないことだ。ヒカルは混乱している春太の背中側から冷ややかに言いはなった。「そのご飯……ちょっといたんでますね」

     春太は「……!?

     絶句せざるを得なかったのにも、無理はない。かれの顔には、まさかの言葉を耳にした驚愕と、自身の完璧な秩序が崩されたことへの混乱が浮かんでいた。

     つぎの瞬間、ヒカルの遅れた行動による第二波攻撃が炸裂し、ふたたび削れた空間の裂け目に春太は飲みこまれて消えた。かれの痕跡は、まるではなから存在していなかったかのように消えうせ、残されたのは、不自然に削りとられたものの、もはやいっさいの痕跡を残していない広大な空間と、遅れて漂うカレーライスとハンバーグ定食とラーメンの香りや湯気だけであった。

     勝者、艶派手忍者・全開の時隠ヒカル 。遅刻の魔術師が、秩序の忍者を葬った瞬間だ。

     第九の戦い、慈平忍者、両性乃リョウと艶派手忍者、乱れ車のひまりの対決は、それぞれのアイデンティティと心の叫びが念動力をうむ、哀しくも激しい戦いに終始した。

     リョウは「私は、男でも女でもある。そして誰にも恋しないし、交わりたいとも思わない。でも、それがどれだけ『変』だと笑われてきたか、おまえにわかるか」と語り、慈平忍法ノンバイナリー・アセクシャルの涙を発動した。

     かれの瞳からこぼれおちる涙は、重力にさからうかのように宙を舞い、空間そのものを震わせはじめた。その涙は、見えない力場と化してひまりをしめつけ、彼女の身体は目に見えぬ圧力に苛まれた。その悲痛な叫びは、周囲の空気を重く、そして鈍く振動させ、ひまりは身動きひとつ取れなくなった。

     リョウのサイコキネシスによって締めあげられながら、ひまりは「私のほうは逆だ! 人恋しくて恋しくて、肌の触れあいが欲しくて欲しくて、でも誰も愛してくれなかった! 心の空隙ばかりが増えて、魂は空っぽのまま──!」と叫び、「艶派手忍法・セックス依存症の呼ばわりを繰りだした。

     彼女の悲鳴は、地獄の楽園の空気を切りさくかのような絶叫となり、その哀しみの声は波紋を起こし、性の果てにある虚しさが念力の鞭となって空間を揺動させた。空間は歪み、ねじれ、ひまりの感情がそのまま具現化したかのように荒れ狂う。乱れるサイコキネシスの鞭が、執拗にリョウを打ちすえ、さすがに一瞬はひるまずにはいられない。

     ドシュッ、ドシュッと鈍い音を立てて、リョウの四肢の肉が炸裂して、血飛沫をあげる。ニヤリと不敵にひまりが笑った。彼女はその忍術の強力さゆえに勝利を確信しかけたのだった。

     だが、まだだ。リョウの涙はとまらず、ひまりの念動力は彼の抑制された感情には及んでいない。静かに、しかし圧倒的に、ひまりの身体はねじれ、嫌な音がグシャリとして、彼女の体は地上で崩れさった。かぼそい悲鳴をあげる余裕すらなかった。

     まるで魂が抜けたかのように、リョウは空っぽの心のまま立ちつくしていた。

    「あるいはわれらは、わかりあえる者同士だったのかもしれないが」

     ぽつり、と彼はさみしそうに、そう声を漏らした。だが、それももはや遅きに失したというほかあるまい。

     勝者は慈平忍者・両性乃リョウである。彼の静かなる悲しみが、狂おしいまでの乱倫の欲望を打ちくだいた瞬間だった。

      そしていよいよ第十の戦いが開帳する。

     慈平忍者の頭領たる燃える水の鳳雛と、艶派手忍者の頭領たる流れる炎の伏龍による最終対決のとき。じっと睨みあう両者のまなこが火花を散らしあったのも束の間、その戦いは互いの放つ必殺の奥義が宇宙規模にぶつかりあう壮絶なものとなって実現した 。

     鳳雛は、まるでいにしえの達人がそうであったかのように、静かに、しかし有無を言わせぬ気迫を放っていた。

    「この一撃に、七十二時間分ぶっとおしの労働を可能にする集中力を込めたのだ」。

     彼はゆっくりと口にし、かれの全身からすさまじいまでの雄渾な気が凝縮されていくのが見てとれた。そして、まるで時がとまったかのように、ゆっくりと、しかし確実に拳を繰りだした。

    「慈平忍法奥義! 過集中パンチ‼︎

     その拳は、ただの物理的な質量を超越し、濃縮された「集中の精神」が宇宙に改めてビッグバンを起こすかのような神的破壊力を具現化する。

     だが、対峙する伏龍も鳳雛に負けず劣らずの気迫をはなった。

    「こっちも徹夜三日分をブチ込んだぜぇぇ!」

     荒々しいわめ声で吠え、その身に宿る奔放な活力を一瞬のうちに爆発させた。かれの全身からほとばしる猛々しいオーラは、夜空の星をブルブルとふるわせるほどであった。まさに雷鳴の如く繰りだされる必殺の拳。

    「艶派手忍法奥義! こちらも過集中パンチのカウンターだ‼︎

     鳳雛が一撃必中の構えを見せる中、伏龍は対照的に「オラオラオラオラオラオラァァァ!」と、まるで嵐のような連撃、いわゆるオラオラのラッシュを浴びせる 。その拳の一発一発が、地獄の楽園の地面を揺るがすほどの破壊力を秘めていた。先行して拳を撃ちぬこうとする鳳雛は「静寂は力なり!」と念じながら、あくまで最強の一撃のみに全身全霊を込めた。

     両者の拳が激しくぶつかりあった刹那、拳圧によって時空がひしゃげ、閃光と爆風とが核爆発をも思わせるほどにはじけ、血斗場が崩壊し、天井が割れた。轟音とともに、地下百メートルの地獄の楽園は、まるで巨大な地震に見舞われたかのように崩れおちていく。

     観戦していた徳川家誠とその家来たち目の前で、ふたりの忍者は空中で光となって爆ぜ、その壮絶なる相打ちの末、この最終対決は幕を閉じたのであった。

    「言語を絶して壮絶な数時間であったな」

     ふるえる声をさすがに抑えきれない徳川家誠である。ふと握りしめていた両の手のひらを開いて眺めてみれば、ぎっしりと脂汗がにじんで、キラキラひかっている。

    「慈平十人衆と艶派手十人衆。二〇名のうち死亡者多数、頭領は両陣営とも存在が消滅する結末となったが、そなたらの魂が無念に苦しむことはないぞ」

     家誠は黙して頷き、うしろに控える家来たちに顎をクイっとひねって、合図して見せた。引き分けと終わったさいには、慈平の里と艶派手の里、それぞれに徳川埋蔵金一〇〇億両を折半し、五〇億ずつ与える。その申しあわせを踏まえた上で、家来たちにさっそく手配を与えたのだった。

     幾人もの勇者たちを失いながらも、血塗られた戦いの果てに、ふたつの里それぞれに、莫大な財宝が届けられることになった。それぞれの郷の長老衆たちは、村人の全員と言っても良い発達特性の持ち主どもに、ひとしく平穏と安寧がおとずれることを願いつつ、郷の蔵に埋蔵金が収められるのに目をほそめた。何人もの村人が、生きのこった勇者たちをねぎらいながら、江戸の将軍に心より感謝の思いを抱き、こうべを垂れたことはいうまでもない。

     ああ、慈平十人衆と艶派手十人衆の、血で血をあらう大血斗! まことすさまじい発達特性の饗宴であったというほかはあるまい。

     私はリモンコンを操作して、液晶テレビの映像を消した。

    「ああ、おもしろかった。さすが横道さん、こんなヘンテコな番組を知ってて」

     私はそのように独り言を言って、ため息を吐いた。次回横道さんの自宅を訪れたときには、横道さんのお勧めに従ってこの番組『慈平忍法帖〜外伝!徳川裏家御前血斗』を動画配信サイトで視聴したことを伝え、感想を伝えようと考えた。

     それはともかく、そろそろ明日の仕事の準備をしなくてはいけない。日々の労働はつらいことも多いからこそ、たまにはこんな息抜きも重要だ。

     

42歳で最初の単著単行本を出してから、4年のうちに30冊の単行本を出してきた横道誠さん。文学研究を専門とする大学教員で、自閉スペクトラム症(ASD)、ADHD(注意欠如多動症)、アルコール依存症の当事者として10種類の自助グループを主宰するその旺盛な活動力の秘密は、「いつ死んでも良いように」と40歳の時から「終活」を始めるようになったことにある。あまたの持病と戦いつつ執筆する横道さんの活動力の秘密はどこにあるのか? ノンフィクションとフィクションの垣根を越える、衝撃の当事者レポート。
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横道誠
横道誠(よこみち・まこと)

京都府立大学准教授。専門は文学・当事者研究。さまざまな自助グループを主催し、「当事者仲間」との交流をおこなっている。著書は、最初の単著の単行本『みんな水の中──「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか』(医学書院、2021年5月)を出してから、現在(2025年5月)までの4年間で、単著と(自身が中心になって作った)編著・共著を合わせて30冊に達している。