今年1月に刊行された『老北京の胡同――開発と喪失、ささやかな抵抗の記録』は、朝日新聞、週刊文春、信濃毎日新聞、聖教新聞など、各紙誌で大きく取り上げられている。
多田さんの15年間の取材と観察の集大成であるが、本書収録の写真(多田さんのお連れ合いの張さん撮影)も、胡同の魅力と大きな変化を伝えてくれる。張さん自身も胡同育ち。胡同とそこで暮らす人々を特別の思いとあたたかいまなざしで写し取っている。今回は、紙幅の都合で載せられなかったさまざま写真をご紹介する。
1973年に大分県で生まれ、静岡県で育つ。2000年より北京在住。コミュニティ誌の編集者を経て、フリーランスのライター兼翻訳者に。おもなテーマは北京の文化と現代アート。著書に『老北京の胡同――開発と喪失、ささやかな抵抗の記録』(晶文社)、訳著に『北京再造』(王軍著、集広舎、2008年)、『乾隆帝の幻玉』(劉一達著、中央公論新社、2010年)などがある。
1965年、北京生まれ。幼少期から現在に至るまで、北京の横丁、胡同で過ごす。北京図書館勤務を経て、フリーカメラマンに。中国の文化や社会に関する写真を日本や中国のさまざまな新聞、雑誌、書籍に提供。おもなテーマは北京の胡同と現代アート。これまで開いた個展は『胡同の季節』(2009年)、『胡同の匂い』(2014年)。